“稀代の悪女"=蒲生美智留(がもう・みちる)。 天賦の美貌と巧みな話術で、人々の人生を狂わせる――
野々宮恭子のクラスに、従姉妹の蒲生美智留が転校してきたのは中一の秋だった。 美智留によって、イジメと再生不良性貧血という難病から 救われた恭子は、美智留の美貌や明晰さに憧れ、心酔していく。 やがてある出来事をきっかけに、二人は大きな秘密を共有するに至った。
時を経て、27歳になった美智留は「生活プランナー」を名乗り、 経済的不安を抱える顧客へのコンサルタント業を行なっていた。アシスタントは恭子だ。 ストレス解消の散財によって借金を抱える銀行員の紗代、 就職活動に失敗して家業を手伝う弘樹、 働かない夫と育ちざかりの娘を抱え家計に困窮する佳恵…… 美智留は「あなたは悪くない」と解決法を示唆するが……。
人々はどのように して美智留の罠に堕ちてゆくのか。美智留とは何者なのか!? 奇才が描くノンストップ・ダークヒロイン・ミステリー。