【小学館の名作文芸朗読】
戦時中の日本を舞台に「ぼく」とその兄の関係を描いた物語。兄は気が弱く我慢強い性格で、召集される前は会社勤めをしていた。兄の靴にはその生活の汗がにじみ、形が歪んで穴があいていた。兄は謙虚で正直な人間を愛し、権力に頼らず誰にでも真摯に向き合う姿勢を持っていた。会社の上役が権力で部下を抑えつける様子を不愉快に思い、重役の私用使いも拒否するほどだった。ある日、母が「兄が特攻隊に入った」という夢を見て不安がる中、突然兄が帰宅する。
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