30代におすすめしたい、ビジネス書オーディオブックを紹介します。30代ともなれば、チームを統括するマネジメントの役割を課せられたり、新たなスキルアップを求められることも。そ んな30代のビジネスパーソンが読んでおくべき、ビジネス書オーディオブックをピックアップしました。
マネジメントの指針にも。30代におすすめのビジネスオーディオブック書5選
20代の間はがむしゃらに仕事をこなしていたビジネスパーソンも、30代ともなるとチームを統括するなどマネジメントの役割を与えられることが多いでしょう。また、自身の専門スキルをさらに磨くことも合わせて必要ですし、資産を形成することにも興味が出る年代です。そんな30代のビジネスパーソンが、今読むべきオーディオブックをセレクトしました。

元スターバックスCEOが語るリーダー論
本書は、元スターバックスやボディショップなど、名だたる企業でCEOを務めた岩田松雄氏が、
今求められるリーダー論について解説した本となっています。
スターバックスほどの大企業を率いたCEOであれば、やはりカリスマ性が大事なのかと思ってしまいますが、岩田氏は自らのことを“普通のおじさん”だと思っているそうです。それでなぜ、普通のおじさんであった岩多氏が、大企業を率いるリーダーの座につくとこが出来たのか。その理由は、
謙虚な姿勢で目の前のことに対して一生懸命に努力をし、周りを大切にしてきたからだといいます。
岩田氏がリーダーになる原体験となったのは、高校時代の野球部でのことでした。競合の野球部に所属していた岩田氏は、1、2年の間は、さほど試合には出られませんでした。しかし、3年になった際に、キャプテンに任命されます。それは、上級生だからといって驕ることなく、グラウンドの整備や球拾いをする岩田氏の姿を見た下級生が、推薦したためでした。
本書の中で 、岩田氏はリーダーについてこう語っています。
“リーダーになろうとするのではなく、まわりに推されてリーダーになる。私はこれが、理想のリーダーの姿だと思っています。”
それでは、周りに推されるような人物になるにはどうしたら良いか、そして、リーダーになった後はどう振る舞うべきなのか、その具体的な51の方法が明らかにされていきます。
“リーダーが真っ先に考えるべきは、自分たちの存在理由(ミッション)である”、“地位は権力ではなく責任である”というリーダーとしての心構えはもちろんこと、部下を叱るときに、自尊心を傷つけない叱り方をする方法など、具体的に使えるメソッドもたっぷりと解説されています。
リーダー論という心構えはもちろんのこと、しかり方や伝え方、仕事の依頼の仕方など、中間管理職にも役立つメソッドが、たっぷりと詰まった内容です。
ちなみに、古今東西名経営者と呼ばれる人物は、口をそろえてリーダーは謙虚さが大事だと説いています。本書を聴いてリーダー論や経営哲学に興味を持った人は、京セラやKDDIの創業者である、稲盛和夫氏の
「心。」も合わせて聴いてみましょう。
- 著者:岩田松雄
- ナレーター:山口孝史
- 再生時間:05:11:01

“自分でやった方が早い”と思っている30代の若手リーダーに読んでほしい
会社という組織で大きな成果を上げるには、まわりの人々の協力が不可欠です。しかし、そのことを分かりつつも、ついつい自分でやった方が早いと、仕事を抱え込んでいませんか?
本書は、仲間や部下に頼ることが出来ない“自分でやった方が早い病”にかかってしまったビジネスパーソンに向けて、
リーダーとして、どう仲間や部下と協力して仕事に臨むべきかを解説した本です。
仲間に仕事を依頼したものの、スケジュールを守ってくれなかったり、部下に仕事の段取りを説明するのがめんどくさかったり、そういう経緯からついつい自分で手を動かしてしまった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか
20代はプレーヤーとして仕事をこなしてきて、30代になってチームリーダーに抜擢される。リーダーに抜擢されるということは、スキルが高く仕事が出来る人間ということです。しかし、
仕事が出来る人こそ、周囲の人たちのレベルが低く見えてしまい“自分でやった方が早い”と仕事を抱え込んでしまう傾向にあります。
著者は、その背景にある原因は、利己的に仕事を しているからだと説きます。そして、その病が進行すると、
お金はあるが、つねに忙しくて周りに人がいない“孤独な成功者”になるというのです。
なぜ人に仕事をまかせないことが利己的であるかというと、人が失敗をするチャンスを奪っているからです。人間が成長するときは、失敗がセットになっています。失敗という挫折を味わうからこそ、そこからの学びを得るのです。1人で仕事を抱え込んでしまうのは、部下から失敗するチャンスを奪っています。ビジネスというのは1人で100歩進むよりも、100人で1歩進むことが重要です。人に仕事をまかせないということは、仲間や部下が成長して前に進む機会を奪っているわけです。
それでは、この病から抜け出すにはどうしたら良いのか。その処方箋が15項目にわたって解説されています。例えば、
まかせるときは失敗させる権利を与えることが必要です。さらに、仕事を依頼する際に渡すマニュアルも、あえて70点程度のレベルのものを渡すのが望ましいと解説されています。なぜならば、70点のマニュアルを渡された部下は、残りの30点を自分の頭で考える必要があるため、そこに成長の余地が生まれるからです。
このように、本書では“自分でやった方が早い病”にかかるビジネスパーソンの特徴や末路、そしてその病を脱した先にあるビジョンを具体的に解説してくれています。30代の若手ビジネスパーソンであれば、一度は聴いておきたい内容です。充実した内容の割には、さくっと聴きやすい尺になっているので、是非通勤などの移動中に聴いてみましょう。