最近のベストセラービジネス書から、昔から読み継がれる古典ベストセラーまで。2021年時点において、オーディオブックで聴くのにおすすめな、ビジネス書オーディオブック7選をご紹介します。
オーディオブックで聴くのに相応しい、ビジネス書の名著
毎年新刊が多数発売されるビジネス書。その中でも、10万部を超えるものが“ベストセラー”と呼ばれます。ベストセラーとなったビジネス書は、繰り返し読み返したい名作揃い。一度読んだことのある本でも、オーディオブックで聴くことで、内容をさらに深く理解出来ます。
今回は、基礎能力の底上げに役立つものから、長年仕事をしていく上で、心得ておきたいテーマを扱う名著まで、おすすめのビジネス書7選をご紹介します。
仕事に向き合い続けるために、読んでおきたい名著
仕事を続ける上では、実用的なスキルを高めるのとともに、戦略的に仕事に当たるための設計図を考えておく必要があります。
長年仕事に向き合うために、個人としてどういう考え方を身に着けておくべきか、そして組織に対して、どう相対することが必要なのか。この根源的な考え方を身に着けるのに最適な、ビジネス名著をご紹介していきます。
- 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
- 幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII
- 失敗の本質―日本軍の組織論的研究
基礎能力の底上げに役立つ、ベストセラービジネス書
ビジネスの基本は、情報収集を行って有益な情報をインプットし、周りとコミュニケーションを取りながら、成果物をアウトプットしていくことです。仕事の業種に関わらず、このサイクルを効果的に回すために役立つ、ベストセラービジネス書をご紹介していきます。
- 学び効率が最大化するインプット大全
- 伝え方が9割
- 超一流の雑談力
ベストセラーのビジネス書オーディオブック7選
それでは、ベストセラーのビジネス書オーディオブック7タイトルを、じっくり解説していきます
オーディオブックで聴き返したい。500万部に迫る大ベストセラー「嫌われる勇気」
国内外での発行部数が500万部に迫る、大ベストセラー「嫌われる勇気」。本書では
“人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである”というアドラー心理学を紐解きながら、どうすれば自分らしく幸せに生きられるかを解説しています。
これだけを聞くと、よくある自己啓発本に感じてしまいますが、アドラー心理学は人間関係に悩み続けてきた私たちに、画期的な2つの視点をもたらしてくれるのです。
1つめの画期的な視点とは、トラウマの否定。心に追った傷(トラウマ)が、現在の不幸を引き起こしているのではなく、人々はそれぞれ“目的”に沿って生きていると説きます。例えば、喫茶店でウエイターにコーヒーをかけられた際に、大声を出して怒鳴ってしまった。これは、珈琲をかけられたから怒鳴ったのではなく、怒鳴るという目的 を遂行するために、珈琲をかけられた怒りという感情を捏造した、ということになります。
つまり、過去の傷(トラウマ)が現在の行動に影響を及ぼしているのではなく、自分なりの目的を達成するために過去の傷(トラウマ)を利用している、というわけです。アドラー心理学では、
過去のトラウマに目を向けるのではなく、自分の目的は何かを問うべきだと解説しています。
2つめの画期的な視点とは“人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである”という視点に立った上で
他者の課題には踏み込まず、自分と他者の課題を分離する、ということです。
例えば、勉強しない子どもに悩んでいるお母さんがいたとします。しかし、勉強をしないことで、最終的に不利益を被るのは子どもです。“その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのはだれか?”を考えた上で、それが自分以外なのであれば、それは他者の課題として踏み込まないことが大切であると言います。
そして同様に、他者にも自分の課題に踏み込ませないことが、大切になってきます。この2つめの主張が、タイトルの「嫌われる勇気」に繋がる重要なポイントです。他者の課題に踏み込まない、自分の課題に踏み込ませないということは“自分を貫いて、誰かから嫌われるかもしれない”リスクを負うわけです。
本書では、トラウマを否定し、自分と他者の課題をどう分けるべきか、この2つのポイントを丁寧に解説しています。非常にシビアな内容に感じるかもしれませんが、後半部分では、この2つのポイントを押さえた上で、どのように幸せになっていくか、その道筋が示されます。
今ここに、集中して、どのように他者に貢献していくか、幸せになるためのそのプロセスが具体的につづられていきます。
本書は、一般的に難解だと言われがちなアドラー心理学を、出来るだけ分かりやすく解説するために、ストーリー形式をとっています。悩める青年と、哲人が対話をしていく対話方式なので、一度本を読んで内容を理解出来なかった人でも、理解しやすい構成になっているのです。臨場感たっぷりで綴られるオーディオブックを聴き込めば、ドラマを観ているような感覚で、内容をより理解しやすくなることでしょう。
- 著者:岸見一郎,古賀史健
- ナレーター:小林範雄,市村徹
- 再生時間:07:16:33
500万部に迫るベストセラー「嫌われる勇気」の続編
国内外累計500万部に迫る大ベストセラー「嫌われる勇気」の続編になります。前作では
“人は、自立した上で共同体の一員だとい う意識を持ち、他者貢献をしていくことで幸せになることが出来る”というテーマが語られました。本作は、前作で解説されたアドラー心理学の補足を行いながら、生きていく上でどう具体的に動くべきか、という指針も合わせて語られています。
前作と同様に、今作でも哲人と青年による対話で構成されており、物語形式になっています。物語冒頭では、前作でアドラー心理学を受け入れた青年が教師となって成長したものの、様々な課題にぶつかってしまい、アドラー心理学に疑問を抱きながら、哲人の元にやって来ます。
前作「嫌われる勇気」では、他者と自分との課題を分離し“踏み込まないし、踏み込ませないことが重要である”と説いていました。しかし、アドラー心理学を実戦してみると、青年の中にいくつもの疑問が沸いてきます。本書の前半では、青年がその疑問を哲人にぶつけることで、アドラー心理学を実戦したら生じるであろう矛盾を、ひとつひとつ解消していく内容となっています。
教育者の立場で、子どもたちに接するには“尊敬”が必要である、問題行動を取る子どもに対して怒ることは有効ではないなど、どのように人に接するべきかを説いていきます。ここでの哲人と青年の対話を通して、読者がいかに他者と関わっていくべきかを、実践的に学べるポイントになっています。
青年の疑問を解消した上で、本書の後半では、人生においてどう行動すべきかという、具体的な向き合い方が、さらに語られていきます。
人生における3つの重要なタスク、“仕事のタスク、交友のタスク、愛のタスク”についての、行動指針が示 されていくのです。
著者の古賀氏はインタビューで
“「嫌われる勇気」が地図なら、「幸せになる勇気」はコンパスである”と話しています。前作がアドラー心理学を理解するための地図であれば、本作はどう実践していくかという指針を示しているということです。前作を読んで実践してみたものの、なかなか上手くいかなかった人はもちろん、本作からアドラー心理学に触れるという人にも分かりやすく、実践向きな内容となっています。
- 著者:岸見一郎,古賀史健
- ナレーター:小林範雄,市村徹
- 再生時間:06:34:59
日本経済低迷の原因にも通じる、日本組織の構造的問題をあぶりだす
本作は、太平洋戦争において日本軍がなぜ敗北したのか、その要因を解き明かした本です。なぜ敗戦の原因を解説した本書が今になっても読み継がれているのか、それは、この本で明かされる“失敗の要因”が、そのまま現在の日本の経済的な衰退の原因になっている