ひとり怪談 ~ファンキー中村の怪奇独話~ 第十一話「踏切で」 悪質犯罪、孤独死、集団自殺― 怪談もまた現代の闇を映し出す鏡である。 多くの怪奇現象に遭遇し続けてきた怪談師・ファンキー中村は言う「怪談は人の死であり、現世に対する命の叫びでもある」と。 その言葉を裏付けるかのような彼の周りで起こる不可思議な現象の数々は、人間がそこに生きていたという証と、 私達も彼らと同じ人間という生き物であることを強く思い知らされる。 体という物体がなくなり、思念だけが残ったモノたちはどこへいくのだろう。 そんなモノたちの思念の数々をファンキー中村自らの語りで思う存分感じていただきたい。
最後に、これだけは誤解しないでいただきたい。 怪談とはただの怖い話ではなく、恐ろしくも悲しく、とても後ろめたい話なのだ。
■商品内容 自宅のマンションから少し離れた駐車場に向かう途中に踏 切があった。 ある夜中にその駐車場に向かう途中、踏切に差しかかろうかというところで夜中だというのに踏切が鳴って遮断機がおりてきた。 と同時に、その踏切の音に紛れて後方からおぼつかない足取りのハイヒールの足音が近づいてきた。 一向に列車の通過しない踏切で足止めをくっていると、先程の足音の主が恐ろしい奇声をあげた…