ひとり怪談 ~ファンキー中村の怪奇独話~ 第七話「ふすま」 悪質犯罪、孤独死、集団自殺― 怪談もまた現代の闇を映し出す鏡である。 多くの怪奇現象に遭遇し続けてきた怪談師・ファンキー中村は言う「怪談は人の死であり、現世に対する命の叫びでもある」と。 その言葉を裏付けるかのような彼の周りで起こる不可思議な現象の数々は、人間がそこに生きていたという証と、 私達も彼らと同じ人間という生き物であることを強く思い知らされる。 体という物体がなくなり、思念だけが残ったモノたちはどこへいくのだろう。 そんなモノたちの思念の数々をファンキー中村自らの語りで思う存分感じていただきたい。
最後に、これだけは誤解しないでいただきたい。 怪談とはただの怖い話ではなく、恐ろしくも悲しく、とても後ろめたい話なのだ。
■商品内容 まだ小学生の頃、鎌倉に住むいとこの家に遊びに行き、彼の 誘いでお菓子をたくさんくれるという人の家に遊びに行くことになった。 まるで森の中に建っているようなその大きな家は、うす暗く冷んやりとした空気が流れていた。 案内された暗い部屋の中で待っていると、いとこの子が家の人に呼ばれお菓子を取りに部屋を出て行ってしまった。 すると、部屋にある入り口とは別のふすまから浴衣を着た若い古風な女性が出てきた…