ひとり怪談 ~ファンキー中村の怪奇独話~ 第十七話「いねむりの結果」 悪質犯罪、孤独死、集団自殺― 怪談もまた現代の闇を映し出す鏡である。 多くの怪奇現象に遭遇し続けてきた怪談師・ファンキー中村は言う「怪談は人の死であり、現世に対する命の叫びでもある」と。 その言葉を裏付けるかのような彼の周りで起こる不可思議な現象の数々は、人間がそこに生きていたという証と、 私達も彼らと同じ人間という生き物であることを強く思い知らされる。 体という物体がなくなり、思念だけが残ったモノたちはどこへいくのだろう。 そんなモノたちの思念の数々をファンキー中村自らの語りで思う存分感じていただきたい。
最後に、これだけは誤解しないでいただきたい。 怪談とはただの怖い話ではなく、恐ろしくも悲しく、とても後ろめたい話なのだ。
■商品内容 平成三年、経営していた運送会社の仕事で埼玉の ある大きな倉庫から新潟まで荷物を届けることになった。 埼玉の倉庫を早朝に出発して高速を進んでいると、夜遅くまでの仕事からか強烈な睡魔に襲われた。 休憩をするために入ったパーキングには不思議にも車も人もまったくなく奇妙に思ったが、 あまり気にせずにトラックを止めて少し寝入ることにした。 しかしその時、周りには誰もいないはずのそのすぐ耳元で大きなトラックのクラクションが鳴り響いた…