ひとり怪談 ~ファンキー中村の怪奇独話~ 第六話「開けずの魔」 悪質犯罪、孤独死、集団自殺― 怪談もまた現代の闇を映し出す鏡である。 多くの怪奇現象に遭遇し続けてきた怪談師・ファンキー中村は言う「怪談は人の死であり、現世に対する命の叫びでもある」と。 その言葉を裏付けるかのような彼の周りで起こる不可思議な現象の数々は、人間がそこに生きていたという証と、 私達も彼らと同じ人間という生き物であることを強く思い知らされる。 体という物体がなくなり、思念だけが残ったモノたちはどこへいくのだろう。 そんなモノたちの思念の数々をファンキー中村自らの語りで思う存分感じていただきたい。
最後に、これだけは誤解しないでいただきたい。 怪談とはただの怖い話ではなく、恐ろしくも悲しく、とても後ろめたい話なのだ。
■商品内容 都内の一等地でレストランパブをしていた友人が、突然 店をたたみ北海道の過疎化した漁師町で店をやると言い出した。 その半年後、所用で偶然札幌に行くことになったファンキー中村は、そのついでに彼の元に遊びに行くことになった。 なんとも古めかしく質素な、番屋のような彼の家に上がると、釘で固く閉ざされた「ドア」のようなものがあった。 気にはなったがとりあえず深入りはせずにそのまま過ごし、その晩は彼の家に泊まることになった。 そしてそのまま眠りに入った時、金縛りと一緒に二人同時に恐ろしい夢を見る。 その夢は、例の固く閉ざされた「ドア」の部屋にまつわるものであった…