ひとり怪談 ~ファンキー中村の怪奇独話~ 第十八話「蟹」 悪質犯罪、孤独死、集団自殺― 怪談もまた現代の闇を映し出す鏡である。 多くの怪奇現象に遭遇し続けてきた怪談師・ファンキー中村は言う「怪談は人の死であり、現世に対する命の叫びでもある」と。 その言葉を裏付けるかのような彼の周りで起こる不可思議な現象の数々は、人間がそこに生きていたという証と、 私達も彼らと同じ人間という生き物であることを強く思い知らされる。 体という物体がなくなり、思念だけが残ったモノたちはどこへいくのだろう。 そんなモノたちの思念の数々をファンキー中村自らの語りで思う存分感じていただきたい。
最後に、これだけは誤解しないでいただきたい。 怪談とはただの怖い話ではなく、恐ろしくも悲しく、とても後ろめたい話なのだ。
■商品内容 二十歳そこそこの頃、海岸近くの別荘へ仲間たちと共に遊びに 行った。 女性を別荘に残し男性たちで夕飯のための魚を釣りに行ったその帰り道、友人のすすめで毛がにを買って帰ることにした。 そしてある毛がに屋で見つけたとんでもない大きさの毛がにを買い、心を躍らせながら別荘への帰路についた。 女性たちの驚く顔を期待しながら彼女たちの目の前でその毛がにを披露した時、 男性陣の期待に反して女性たちは声にならない悲鳴をあげた…