実説 城谷怪談 老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。 幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。 そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介 「新築マンションの呪い」(41分) 三十代半ばの独身女性が、長年住み慣れたアパートを出て新築の大きなマンションに引っ越して間もなくのこと。深夜一人きりの寝室に足音が聞こえてくる。足音は彼女の寝ている背後でピタリと止まるのだが…。連日に渡って彼女に襲いかかる怪奇現象には悲しい事実が隠されていた。
「魚溜の滝」(28分) 札幌市から南に進む山中、峠道の途中に突如表れる滝の入り口。 獣道を下った先の沢の大きな1枚岩があり、水死体が引っ掛かっていたとの噂に好 奇心おおせいな若者が五人肝試しに訪れた夏の深夜。待ち受けていたものとは…。城谷氏本人の体験談。
「もう淋しくないよ」(34分) 当日三十二才だった体験者の女性。いつも決まった通勤路を徒歩で行き帰りしていたのだが、その日は深く考えもせず、普段使わない小路に足を差し向けた。するとそこには想像もつかない景色が広がっていた。好奇心の赴くままに進んでいった先にあった小さな公園…異世界に足を踏み入れた彼女を待っていたものは
「薄野交差点の花魁」(30分) 札幌薄野と言えば、明治時代から続く花街である。 霊感の強い飲食店経営者の男性がまだ十代後半、とある小料理屋で板前の修行をしていたころ、同い年の後輩が入店してきた。聞けば後輩も霊感があるという。意気投合した二人がある日の閉店後、帰路の途上にある小さな交差点で出会った不思議な光景とは