実説 城谷怪談 老若男女皆が楽しめる怪談語りを目指し、落語や講談にも似た独特な語り節、ノスタルジックな世界観に定評がある城谷歩による怪談。 幼い頃から自身でも不思議な怪体験を数多く持ち、更に聞き集めた種々の実体験を含めるとその数は数百にも及ぶ。 そうした現代の実話怪談、奇談の中から選りすぐりをお届けする。
内容紹介 「嗤う」(27分) 四十年輩の男性が、20年ほど前、大学卒業後、社会人1年目の盆に里帰りした時の体験。 地元の友人と深酒をして実家まで歩いて帰る道すがら、地元唯一の小さな商店街に差しかかった時の事。 なつかしい気持ちに誘われてフラフラとシャッター街になってる商店街を歩いているうちに、幼い頃聞かされた都市伝説を思いだす。 ところが、実はその都市伝説はきっかけになった凄惨な事件があった事を知る事になるのだが・・・。
「電話ボックス」(31分) 雪降りしきる12 月の札幌。当時中学生だったY君は、初恋の相手と毎夜のようにこっそりと電話をしあっていた。 ある夜、Y君は母親に長電話を咎められ、自宅の電話を禁じられてしまう。仕方なく、家の前にある電話ボックスを使う事にしたのだが… そこで彼を待ち受けていたのは背すじも凍る不可思議な体験だった。 そして、謎に包まれていた怪体験はその数年後に思いもよらない形で真相を顕す事になったのだが・・・。
「壁のシミ」(26分) 7、8年前のこと。当時18歳だったミホちゃんは、上京して小さなワンルームで一人暮らしを始めた。 昼は正社員、夜は大学の夜学に通うハードな毎日を過ごしていた頃、ある時期から自分の部屋の壁におかしなシミを発見する。 やがて何かに突き動かされるように毎日そのシミを監察するようになるのだが、しばらくして、遂にそのシミが原因と思われる異変が彼女を襲う。 霊感の強い友達によれば、7、8年前のある出来事が、実はまだ終わっていなかったという。
「玄関」(30分) およそ10年程前、一人の若者が舞台俳優を目指して劇団に入団してきた。 屈託なく華のある男ではあったが、ある夏の夜、彼が住まう一人暮らしのアパートに帰って来た時、立て続けに奇妙な体験に巻きこまれてしまう。 初めての怪奇現象は、結局解決をみる事なく数日が経つ。 そして、更なる恐怖が彼らを飲み込む事になる。果たして何が起きてどうなってしまったのか。