漱石の門下生の一人の内田百閒が直接接した漱石の姿を描く。 百閒が初めて漱石を胃腸病院に緊張して訪ねた際に漱石が気を遣って接する様子、新聞連載中で不機嫌な漱石が木曜会で門下生の一人を珍しく罵倒したこと、生活に窮して静養先の湯河原まで訪ねてきた百閒の無心に漱石が快く応じて温泉に入らせて帰らせたこと、岩波の漱石全集の校正に携わった百閒を悩ました漱石の文章の語尾の無頓着さ、貰い受けた書き潰し原稿に残っていた漱石の「遺毛」、百閒宅に掛けてある漱石の初期の書画を訪ねてきた漱石に回収されてしまったことなどのエピソードが語られている。 このオーディオブックで収録したのは漱石に関する部分の抜粋である。
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