2025/03/31 23:59 まで
江戸川乱歩が著した未完の探偵小説。
小説家の「私」は、中年の失業者に「小説の材料として多額の金銭価値を持つものだ」と、真赤な革表紙で綴じ合わせた二冊の部厚な犯罪記録を強引に売りつけられる。 眠れない夜にその記録を読んでみたところ、「私」は大変な掘り出し物だと感じ、是非世に発表しなければならないと心に決めた。 その記録には、「祖父江進一」という新聞学芸記者が「岩井坦」という(これらを売りつけてきた中年の失業者に思しき)人物に対して送った犯罪記録の手紙の束であり、血腥い、異様に不可解な殺人事件が記されていた。
発表者の附記 第一信 第二信
*文中に、現代の社会通念や人権意識において不当・不適切な表現や語句、差別的表現が見られる場合がありますが、創作された当時の時代的背景などを鑑み、また原文を尊重する意味も 含め、そのまま朗読しています。