高校三年生の俺・君塚君彦は、かつて名探偵の助手だった。 「あんたが名探偵?」二度目の始まりは一ヶ月前、夕暮れの教室。ぬるま湯の日常の中で、俺は同級生の探偵助手になった。 それから――彼女は俺を抱き締めて、叱って、泣いて、笑って、勝手に死んだりしないと誓って、共に世界の理に反する願いを追い求めて、宿敵と死闘を繰り広げて――そして、死に別れた。 また一人生き残ってしまった俺は凍える冷水の如き現実に溺れている。 だけど―― 「助手。もう一度、仲間を助けに旅に出よう」 ……ああ。俺達がここで終わって良いはずがない。 だってそうだろ? これは助手が名探偵を取り戻し、ハッピーエンドに至る物語なのだから。