金髪、碧眼の幼い少女という外見とは裏腹に、 『死神』『悪魔』と忌避される、 帝国軍の誇る魔導大隊指揮官、ターニャ・デグレチャフ魔導少佐。 戦場の霧が漂い、摩擦に悩まされる帝国軍にあって 自己保身の意思とは裏腹に 陸、海、空でターニャの部隊は快進撃を続ける。 時を同じくして帝国軍は諸列強の手を跳ね除け、 ついに望んだ勝利の栄冠を戴く。 勝利の美酒で栄光と誉れに酔いしれる帝国軍将兵らの中にあって、 ターニャだけはしかし、恐怖に立ち止まる。 これは決定的勝利か、はたまたピュロスの勝利か。 ――帝国は本当に全てを掴んだのか?と。 ※本作品は「幼女戦記 3 The Finest hour」を分冊し、第壱章/第弐章/第参章を収録したものです。