治承二年正月一日、院の御所には拝礼おこなはれて、四日朝覲の行幸ありけり。 (巻第三・赦文) 巻第三 収録内容 巻第三は、治承二年(1178年)から治承三年(1179年)を描く。平清盛の娘・徳子が皇子を出産するが、長男・重盛が亡くなり、後白河法皇は鳥羽殿に幽閉される。 中宮徳子が懐妊し、安産祈願のため、鬼界が島の流人に恩赦が出され、成経少将と康頼入道は帰還する。しかし、俊寛だけは許されず島に一人残され、不運な最期を遂げた。徳子は無事皇子を出産し、清盛は天皇の外戚となる。しかし、清盛の暴政を何度もいさめてきた長男・重盛が亡くなり、平家一門に不吉な兆候が現れ始める。清盛はついに後白河法皇を鳥羽にある城南離宮に幽閉してしまう。 01 赦文(ゆるしぶみ) 02 足摺(あしずり) 03 御産(ごさん) 04 公卿揃(くぎょうぞろえ) 05 大塔建立(だいとうこんりゅう) 06 頼豪(らいごう) 07 少将都帰(しょうしょうみやこがえり) 08 有王(ありおう) 09 僧都死去(そうずしきょ) 10 飈(つじかぜ) 11 医師問答(いしもんどう) 12 無文(むもん) 13 灯炉之沙汰(とうろのさた) 14 金渡(かねわたし) 15 法印問答(ほういんもんどう) 16 大臣流罪(だいじんるざい) 17 行隆之沙汰(ゆきたかのさた) 18 法皇被流(ほうおうながされ) 19 城南之離宮(せいなんのりきゅう)