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自助論~新訳完全版~第九章

著者:

サミュエル・スマイルズ/関岡孝平

ナレーター:

再生時間:

01:10:30

チャプター数:

9

図表の数:

0

作品紹介

第9章 実務家たち ――MEN OF BUSINESS

●実務に対する誤解
●回り道が成功の秘訣
●人間を人間たらしめるもの
●ビジネスで求められる資質
●時は金なり
●さらに上をいくビジネスマンになるために
●高潔なる最高の実務家ウェリントン
●志高き実務家たち
本文より抜粋
「熱心に働く者を見よ。その者は王の前に立つだろう」
―――『旧約聖書』ソロモンの箴言より
「実務能力を身につけない者は、世のなかで低い地位しか占められない」
―――オーウェン・フェルサム(イギリスの作家)

文芸評論家のハズリットはあるエッセイのなかで、ビジネスマンを商売や仕事に縛り付けられて手押し車に乗せられたみじめな人間に例えた。
「ビジネスマンがすることと言えば、ただひたすら決められたコースを外れないように進むことだけだ」と切り捨て、さらにこう続けている。
「ビジネスで成功するためには、想像力はいらない。ただ慣習に沿って行動し、損得勘定以外は何も考えない狭い思考力だけがあればいい」
これほど一方的で誤った定義もないだろう。もちろん、ビジネスの世界にも考えの狭い人間がいることは確かだが、それは科学の世界でも文学の世界でも政治の世界でも同じだ。
度量がありスケールの大きな仕事ができるビジネスマンも、数え上げればいくらでもいる。

何であれ重要な仕事で成功するために必要な資質は、その仕事に対する適性に加えて、危機に際しての迅速な行動、大勢の人間を統括する能力、人心を掌握する力、たゆまぬ自己修練、そして実務での豊富な経験である。ビジネスの世界も、どこかの随筆家が考えるような狭小な世界ではない。
歴史家のヘルプスは、はるかに真実に近いことを言っている。「ビジネスの世界で優れた者は偉大な詩人と同じくらい数は少なく、尊敬すべき聖人や殉教者よりも少ない」と。
「実務は人を作る」とよく言われるが、そんなことが言われる仕事はほかにはないだろう。

昔から偉大な人物たちは高い目標を追求しながらも、その傍らで生計を立てるための実業を営むことを恥だとは考えなかった。

カテゴリ

生き方・人生論

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