第4章 根気と忍耐と――APPLICATION AND PERSEVERANCE
●努力なしに、大きな成果は得られない
●快活さと勤勉さを合わせ持たねばならない
●忍耐力が歴史的成果につながる
●文学界で成功するには向上心が必要
●悪ガキから宣教師になったドリュー
●人に笑われてもひるむことなく我が道を貫く
本文より抜粋
人生における大きな成果は、たいていごく単純な手段や、何ということはないあたりまえの行いによって達成される。
ありふれた毎日でも、何事にも気を配り、義務を全うしようとする気持ちさえあれば、このうえない体験ができる機会に満ちあふれている。
すでに踏み固められたかに見える道も、誠実に働く者にとっては、まだまだ努力のしがいがあり、自己改善する余地もある。
幸福への道は、今も昔も、ひたすらによい行いをすることによって切り開かれる。そして最も根気強く 、最も懸命に働く者が最大の成功をつかむのだ。
幸運は盲目だとよく言われるが、幸福も人間ほどで盲目ではない。現実に目を向ければ分かるように、幸運は勤勉な人のもとに微笑む。それはまるで、風と波とが最高の航海士に微笑むように……。
しかし目標が高ければ高いほど、その歩みは遅くなる。大きな成果は、一朝一夕では得られない。人生は一歩一歩、前へ進み続けることで満足しなければならない。フランスの政治家で革命に反対したメーストルは、「待つことを知ることが、成功への最大の秘訣である」と断言している。
作物を収穫するにはまず、種を蒔かなければならない。さらにその後には、長く待つことも必要だ。そのようなときは常に希望を胸に、辛抱強く成長を見守るしかない。価値ある果実は、その成長も遅いものだ。東洋のことわざにもこうある。
「時間と忍耐は、桑の葉を絹に変える」