第3章 3人の偉大な陶芸家―パリシー、ベトガー、ウェッジウッド――PALISSY, BOTTGHER, WEDGWOOD
●陶芸の歴史に変革を起こす
●田園風陶器の考案者、パリシー
●自由を求め続けた硬質磁器の発明者、ベトガー
●陶磁器産業を国の産業にまで発展させた、ウェッジウッド
~内容紹介~
ヴァザーリは語る。
「どんな技術や芸術でも、暑さや寒さ、空腹や喉の渇きといった苦痛を我慢する力を早いうちに身につけなければ、一流の人物にはなれない。目を開いて観察し、たゆまず働かなければ、熟達することも、名誉を手に入れることもできはしない」
「陶磁器の歴史に興味がある方はそう多くないだろう」
この章を語る上での大前提として、本オーディオブックをお聴きいただくみなさんの多くは、陶磁器の歴史に興味をあまりもたれていないことだろう。
本章では、その3人の人物が命を賭して完成させた琺瑯びき陶器、田園風投機、硬質磁器が何たるか、美術的な価値がどうだったかなどということが論じられているわけでは決して無い。
陶器を完成させるに到った背景、家財を投げ打ってまで打ち込んだ理由や、いかに苦しい環境においても、ひとつのことに打ち込むことで最後になし得た成功と、その成功の影にある不屈の探究心、自己研鑽の魂の素晴らしさを物語としてお伝えするのみである。
70分で3名の話をたっぷりと語っているため、一人ひとりの生活・物語が細部に到るまで手にとるようにわかる。