第2章 産業をリードした発明家たち――INVENTORS AND PRODUCERS
●労働は知恵や歓びを与えてくれる
●実用化までには、何世紀にもわたる努力があった
●現代の工場システムの基礎を築いたアークライト
●地域貢献で成功したピール一族
●機械編み機を完成させたリー牧師
●機械発明の天才、ヒースコート
●時代に翻弄された発明王たち
●梳毛機の発明に取り憑かれたハイルマン
本文より抜粋
ある詩人は言っている「楽園へとつながる道に、神は労苦を置きたもうた」と。
たしかに肉体的にであれ、精神的にであれ、自らの労働で稼いだパンほどおいしいものはない。労働によって土地を開墾し、人間は未開状態から抜け出すことができた。労働なしには文明は一歩たりとも前に進まない。労働は単なる必要や義務だけではなく、神の恵みでもある。労働を忌み嫌うのは怠け者だけだ。
労働する義務は、手足の筋肉、手の作用、神経、そして頭に刻みこまれ、それらが健康に活動することによって満足感や喜びが生まれるようにできている。労働という学校は、最高に役立つ知恵を教えてくれる。そして、このあとに掲げる例のように、手仕事に特化したものであっても、高度な精神を修養するのに役立つのである。
天は自ら助くる者を助く
本オーディオブックは、1858年にイギリスで上梓された『自助論』の改訂版を現代語にて全文を完全新訳し、朗読したものである。