まだ生きているあいだに埋葬されるいうことは、
疑いもなく、かつてこの世の人間の運命の上に落ちてきた、
極度の苦痛の中でも、もっとも恐ろしいものである。
しかもそれが今までにしばしば、大変しばしば、
起ったということは、否定しがたい事実である。
どこで生が終わり、どこで死が始まるのか…。
生と死とを分かつ境界はどう見ても影のような漠然としたものである。
我々は、生活力のすべての外見的の機能がまったく停止し、
しかもその停止は正しく言えば単に中止にすぎないような、
病気のあることを知っている。それはただこの理解しがたい
機関が一時的に休止したにすぎない。ある期間がたてば、
なにか眼に見えない神秘的な力がふたたび魔術の歯車を動かし、
それから魔法の車輪を動かす。“銀の紐”は永久に解けたのではなく、
また“金の盞”は償いがたいほど砕けたのでもないのだ。
だがいったいそのあいだ霊魂はどこにあったのか…?
※ 本作品は発表時の時代背景により、今日の社会では一般的でなく、
不適切と思われる表現が含まれている箇所がございます。しかし作品の
オリジナル性を最大限に尊重し、当時のまま忠実に再現することを優先いたしました。