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小泉八雲 「貉(むじな)」

著者:

小泉八雲

ナレーター:

再生時間:

00:07:23

チャプター数:

1

図表の数:

0

作品紹介

ずばり“のっぺらぼう”の話です。

貉(むじな)とは、主にアナグマのことを指すそうで、日本の民話では、
貉はタヌキやキツネと並び、よく人をばかす妖怪として描かれています。
さて、小泉八雲が綴った『貉』とはどのような内容だったのでしょうか?

話の舞台となるのは東京、赤坂から四谷に向かうお濠に沿った坂、紀伊国坂(紀国坂)。
街灯、人力車の時代以前にあっては、その辺は夜暗くなると非常に寂しく、そのためにおそく通る
徒歩者は、日没後にひとりでこの紀国坂を登るよりは、むしろ幾哩もまわり道ををしたものである。
これは皆、その辺をよく歩いた貉のためであるとか。

ある晩おそく紀国坂を商人が上っていくと、濠のふちにかがんで、ひどく泣いている女を見た。
心配して声をかけると、その女が振りかえった。女がさっと顔をひとなですると、のっぺらぼうになった。
商人は驚いて坂を一目散に駆けのぼって逃げた。走りに走り続けた挙句、ようやく蕎麦売りの屋台を見つけた。
商人はほっと胸をなでおろし、蕎麦売りに濠のふちで見かけた女の話をした。すると
「へえ、その見たものはこんなものだったかい?」
と言って蕎麦売りが顔をひと撫ですると……。

八雲による、あまりにも有名な怪談話です。
のっぺらぼうの犯人は貉だったのでしょうか。
記憶に残る結末と情景が目にうかぶ巧みな描写が
とても秀逸な、印象深い素敵な怪談作品です。

小泉八雲(こいずみ・やくも)
小泉八雲ことラフカディオ・ハーンは、米国でジャーナリストとして活躍した後、
1890年、東洋の神秘に興味を持ち来日。同年、英語教師として松江中学に赴任。
小泉セツと結婚。熊本第五髙等中学校(熊本大学の前身校。校長は嘉納治五郎)へ転任。
1896年、日本に帰化。「小泉八雲」と改名する。以来、東京帝国大学(夏目漱石の前任)、
早稲田大学で英文学を講じながら『怪談』等の英文による名作を執筆する。1904年、米国で、
日本の古典や民話、怪談・伝承の類などを取材編集した創作短編集『怪談』を刊行。

カテゴリ

ミステリー・サスペンス・ホラー

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