オーディオブック シェイクスピアシリーズ第十五弾
読み聞かせでもなく、サウンドドラマでもない。
オーディオブックならではの圧倒的な表現力。
誰もが知っている"はず"のシェイクスピア作品をダイジェストにして続々お届けします。
「どう思う? これはエジプトの操り人形じゃと言うて、ローマで担ぎ上げられ見世物にさせるなど、まっぴらぞ。
わらわの威厳を辱める? かえって鼻を明かしてやろう。
わらわの勇気よ、その名に恥じぬことを思い知らせよ!
わらわは火と風になる。土と水はいやしいこの世に残してゆこう。
その鋭い歯で、絡み合った命の結び目をひと思いにほどくといい!」
『ジュリアス・シーザー』のあとを描いた作品。
制作は1607年ごろと考えられており、当時はまさにエリザベス1世崩御直後のことである。
クレオパトラをエリザベス女王に見立てる一方で、オクテヴィアヌスは王位を継いだジェームズ1世ともされ、ローマの価値観は 当時のイギリスと重なるところが多いものとなっている。
またアントニーは武人というよりも今風に言えば恋するヒロインの立ち位置になるだろうか。
あくまでもアントニーは都合のいい男で、クレオパトラはそれを手玉に取りつつ自国の保全を狙う賢王、そしてその目的は自らの死によってオクテヴィウスさえ操り見事に果たされるのだった。
ウィリアム・シェイクスピア(William Shakespeare)
英国の劇作家・詩人。1592年~1612年ごろまで劇作家として活躍。四大悲劇「ハムレット」、「マクベス」、「オセロ」、「リア王」をはじめ、「ロミオとジュリエット」、「ヴェニスの商人」、「夏の夜の夢」、「ジュリアス・シーザー」など多くの傑作を残す。
Tokuboku Hirata's TALES FROM SHAKESPEARE: ANTONY AND CLEOPATRA edited by Yu Okubo written by Tokuboku Hirata