著者は、太陽が専門の、宇宙物理学者です。
タイトルは、宇宙研究に携わりたい、と希望する方々へ向けた、熱いメッセージです。
それは、例えば、「はじめに」から抜粋した次の一文。
「地球以外の天体に移住したり生命そのものを改変したりといった、自分たちの生のあり方自体を技術的に変えてしまうことが工学的研究によって現実味を帯びてくると、そもそも私たちは、どのような社会を作り、どのように生きたいのか、という問いを根底から考え直す必要が出てきます。 ここで、人間にとっての意味や価値といった問題も取り扱う人文科学や社会科学が登場することになります。 宇宙の研究は、今や自然科学以外の領域にも広がっているのです。」
また、「研究者のセンス」についても語られ、初学者にとって、深い学びになります。
「世界を理解するために問題をどのように切り取るか、その問題に対してどのような説明がよりよいと考えるか、そこに研究者のセンスのようなものが問われます。」
宇宙関係の本は、難しい、というのが相場ですが、本書は、入門書として全分野の初学者におすすめです。
(C)Hiroaki Isobe 2019 (P)小学館