その少女は「かみさま」のなりそこない――
藤咲藤花の元に訪れる奇妙な事件の捜査依頼。 それは「かみさま」になるはずだった少女にしか解けない、人の業が生み出す猟奇事件。
人の姿を持ちながら幽世のものに触れる異能をもつ彼女は、事件の解決に自分の居場所を求めて歩む。 そして、その隣には「かみさま」の従者として彼女を守る役目を負うはずだった青年・藤咲朔の姿が常にあった。
数奇な運命のもとに生まれ――そして本来の役割を失った二人は現世の狂気のなかで互いの存在意義を求め合う。 これは、夢現の狭間に揺れる一人の少女と、それを見守る従者の物語。
(C)ayasato keisi 2021 (P)小学館