【小学館の名作文芸朗読】
「りこうもののエルゼ」という娘がいた。両親はそろそろエルゼを嫁に出そうと考えていると、遠くのほうかたハンスという男が訪ねてきて「ほんとうにりこうなら」結婚をすると言う。あるとき、エルゼが地下室にビールを取りにいった際、壁に刺さった十字のとび口を見つける。彼女は将来の出来事を想像し、まだ生まれてもいない自分の子どもがこの地下室でビールを汲むときに頭上のとび口が落ちて死んでしまうかもしれないと考え、大声で泣き始めてしまった。
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