【小学館の名作文芸朗読】
読書観を綴ったエッセイ。若い時はショーペンハウエルを読んで感動したが、年を経るにつれてそういう本は少なくなった。しかし、偉大な思想家の思想は自分の考えが進むにつれて異なって現れ、新たに教えられることがある。書物を読むということは自分の思想がそこまで行かなければならず、一脈相通ずれば暗夜に火を打つように全体が明らかになるのだ。偉大な思想家の書を読むには、その人の「骨」を掴み、自分がそれを使用できるようにならなければならない。
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